GUEST ROOM33
ウチのサイトにご来訪下さっている、もも様が、「元基×悦史」SSと、
早乙女さんのイラストを、お寄せ下さいました。
桜のイメージの二つの作品、一緒にお楽しみ下さいませ。
「cherry blossom」 作・もも
すごい、晴天。
今日は、絶好の花見日和だ。
*****
先週の金曜日、店が終わった後、彼が俺を誘った。
この頃、新しい店の準備と俺の引越しの準備で俺たちの時間はすれ違いばかり。
ゆっくり、話したい…。
そして、ゆっくり・・・。
そんなことを毎日考えてたときだった。
「アキラ、今週の日曜日空いてるか?」
「えっ。空いてますが・・・」
急にどうしたんだろう?
5月には、新しい店がOPENする。自分の店には、妥協したくないと「club DANDY」が
終わった後も大忙しで、寝る時間もないはずだ。
「桜、見に行かないか。」
「花見ですか?!」
悦史さんも俺と同じ気持ちで、居てくれたんだろうか。
お互い、すれ違い。もっと、一緒にと・・・
そう思ったら、すごく心がかるくなった。
「いすねぇ〜。」
「引越しの準備は、もう出来ているのか?」
「もう、ほとんど出来てます。後は、引越し屋任せるつもりです。」
「そうか・・・」
悦史さんは、ちょっと、寂しそうにBOXの奥を見つめた。
「悦史さん・・・」
「じゃー、日曜日の朝に迎えにいくよ。」
悦史さんは、俺以外誰も知らない、佐藤悦史の顔で極上の笑みをくれた。
******
「うわぁ〜、めっちゃきれ〜ですね。」
「そうだろう!」
俺たちは、悦史さんの車で1時間走ったそこについた瞬間、目の前の桜に目を奪われた。
すごい、見事な枝垂桜だ。
「すごいだろ。」
そういって、悦史さんは車から降りた。
俺も、後を追って、悦史さんの真っ赤なフェラーリから降りた。
この場所では、ちょっと浮いているような気もするけど。
「すこし、歩くか?。」
「はい。それにしてもきれいな桜ですね。」
「あの、枝垂桜、樹齢300年なんだそうだ。」
「うちの菊男にも、創立のときの桜あるけど、その比じゃないですね。」
そのとき、ふと周りを目をやると行き交う人みんな、桜以外のものに目を奪われていた。
この人は、どこに居てもめだつよなぁ。
男の俺から見てもかっこいい。
この、見事な桜並木にも全然負けてない。
「どうした?元基?」
「なんでもないっす。あんまり、きれいだったもんで。」
周りのやつらが、悦史さんを見てて、そいつらに嫉妬してたなんていえねぇ。
「桜もだけど、悦史さんもきれいです(笑)」
「お、大人をからかうな。」
「からかってないよ。悦史さんは、桜なんかに負けないくらいきれいだよ。」
「元基っ」
悦史さんは、少し恥らったように顔を赤らめた。
こんな姿は、店じゃ見られないよな。
悦史さんが、俺にだけは『早乙女麗士』じゃない顔を見せてくれるようになった。
俺には、その事が何よりうれしかった。
「おれ、花見ならと思ってお弁当作ってきたんすよ。」
「すごいな。楽しみだ」
「悦史さんの料理の腕には、負けるけどそれなりには。」
ずっと、二人だけでいたくて店に入る時間が惜しい・・・とはいえなかった。
俺たちは、少し先の桜の下で昼食を摂ることにした。
卵焼き、ウインナー、から揚げそんな手の込んだものは作ってないが愛情はたっぷり入ってる。
「うまいな。これならいつでも一人暮らしが出来るな。」
「元々、なんでも自分でしてたからね。」
「なんか、やっと、ゆっくり話せたな。」
「この頃、店の準備や俺の引越しの準備でばたばた、してるから。
でも、今日はよかったんですか??
時間が足りないって言ってませんでした?」
「いや、大丈夫だ。」
そういって、悦史さんは花見に誘ってくれたときと同じ、極上の笑みで答えてくれた。
悦史さんも同じ気持ちでいてくれたような気がした。
俺には、何よりもそれがうれしかった。
それから、俺たちは夕方になるまで時間を忘れるくらい、ゆっくりと恋人の時間を過ごした。
「もう、六時だな・・・。戻るか。」
「そうですね。ちょっと、寒くなってきたし。」
春になったとはいえ、夜はまだ、寒い。
俺は、体に自信があるからいいけど、案外、悦史さんは、よく風邪を引く。
これは、悦史さんと付き合うようになったから気がついたことだ。
店では、風邪を引いていてもいつもと変わらないから。
そして、朝の枝垂れ桜のところに、俺たちは戻ってきた。
そこには、朝とは違う枝垂桜が立っていた。
まるで、佐藤悦史と早乙女麗士のように・・・
悦史さんが、振り向き俺を呼んだ。
「元基」
そして軽くKISSをした。
「悦史さん!!」
「元基、これを。」
そういって、悦史さんは俺の手に一個の鍵を載せた。
「悦史さんこれ!!」
「俺の家の鍵だよ。これから、お前が学校の寮に入ったら今以上に、時間が合わなくなるだろう。」
「悦史さん。」
「もし、時間が空いたてお前が、来ようと思ったとき、いつでも来れるようにそれを持っててほしい。」
「ありがとう、すげぇ、うれしい」
俺は、涙が出そうになるくらいうれしかった。
悦史さんの俺と一緒に居てくれようとするその思いが、めちゃめちゃうれしかった。
今度は、俺から悦史さんにKISSした。
今度のは、ちゃんと恋人のKISSだ。
「ぅんっ」
唇を離して、悦史さんを抱きしめた。
そして、上着に手をかけたとき、悦史さんの上着から雑誌の切抜きが1枚ひらっとおちた。
「ん?」
俺は、その切抜きを拾って見た。
「元基!!それは!」
「あっ!これここの・・・。」
そう、これはここの花見スポットを掲載した雑誌の切抜きだった。
しかも、マーカーでしっかりチャックが入ってるし、コメントも書き込んである。
「下見、来てくれてたんですね。」
悦史さんは、バツが悪そうに手で顔を隠している。
そんな、悦史さんのかわいい一面を見て、俺は今まで離れていた時間も
これから離れて過ごさなくてはいけない時間も乗り切れるような気がした。
「帰ろう、悦史さん。早く、悦史さんの部屋に行きたい。」
「元基・・・」
「悦史さん、ずっと一緒にいよう」

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