GUEST ROOM40
この作品は、元々、夏野 行様のサイトで、星綾様の17,500hitのリクエストとして、
書かれたものでしたが、『SSの里親募集』の応募メールをお送りした際、夏野様から、
「宜しかったら、この作品も・・」と、お勧め頂きましたので、当サイトで、
掲載させて頂くことにしました。
風邪でも、大和にエッチへ導こうとする、早乙女さんが、とても彼らしい気がします(笑)
ウチの掲載作品では珍しい(苦笑)、正統派の「早乙女×大和」をお楽しみ下さいませ。
「Crimson Cherry」 作・夏野 行
「お電話代わりました、早乙女です。……大和、風邪だって?」
耳元に、深みのあるの声が響く。それだけで、大和はほうっと息をついた。
大和、と名前を呼ぶ時だけ一瞬声が低くなる。それはどこか秘密めいていて、あの時の声に似ている、などと余計なことを考えた大和の顔は、余計に熱くなる。
熱でひりつく喉に痛みが走ったけれど、それも気にならない。
「さおとめ、さん…」
「おや。随分情けない声をしてるね」
風は喉から来るタイプ、の大和の声はひび割れていた。
「そんな大和の声もセクシーだけどね」
恋人は喉の奥で笑いながら甘い声で囁いてくる。思わず軽く咳き込んでから大和は答えた。
「俺…こんなだから。しばらくバイト休みます、店長」
「わかった。ちゃんと寝て早く治すんだよ。それじゃ」
あっさりそう答えて電話は切れてしまった。
ベッドに寝転がったまま、大和は手の中の携帯を睨みつける。
店の中だからということもあるのだろうが、そっけない早乙女が恨めしい。
「ちぇっ…本当だったらバイトの後、早乙女さんのマンションに行くはずだったのに…」
このところ多忙な早乙女には珍しく、明日は休日が取れた。朝まで一緒に過ごすつもりだった予定を思うと、間が悪く風邪を引き込んだ自分も言うに及ばず恨めしい。
携帯を足元に放り投げて、激しく咳き込んだ。
「ゲホ、ゴホッ!!…ぜんぜん…効かねぇ、っつーの……」
さっき飲んだばかりなのだから、そうすぐに効くわけはない、と頭でわかっていても風邪薬にまで当たりたくなる。
「寝よ……」
フテ寝を決め込んで、枕に顔を埋めた。やがてとろとろと瞼が重くなる。
火照った身体から力が抜けて、ふうっと大きく溜息をついた大和は、目を閉じた。
「んっ……」
胸元にチリチリとむずがゆい感触が走って、眠りを破られた大和は不機嫌に呻いた。
「目が覚めた?」
深みのある声がすぐ間近で聞こえて、一気に目が覚める。
部屋の中は淡い月明かりがカーテンから差し込む光だけで、暗い。
「よく眠っていたのに…起こして悪かったね」
「さ、早乙女…さん?なにして…」
のろのろと身体を起こそうとして、起き上がれない自分に気づいた。
「違う。悦史…だろう?」
大和の腰を片腕で押さえ込んで、腹の上に顎を乗せた早乙女の顔が笑った。
「肌がとても熱い」
「あっ!や、やめっ…」
長い指先で大和の胸元を遊ぶように弾いている。いつのまにかボタンを外されたパジャマの上は大きく前を開かれていて、下は腰骨の下まで降ろされていて。
早乙女に遮られて見えないけれど、ギリギリの位置にある股間は、もう片方の手に遠慮なく握りこまれている。
「俺は病人だぞっ!」
かすれた声で文句を言うと、早乙女の唇が弓なりに微笑んだ。
「そうだな。あまり冷やすのはよくないな」
「……あっ」
肌を覆いつくすようにかぶさってきた早乙女が、舌先を尖らせて胸の粒を舐めた。上目遣いに大和に見あげながら、ことさらいやらしい動きで濡れた舌がそこを嬲る。
「ん!うぅっ…」
大和は思わず声を漏らした。腹筋が震えたのがわかる。パジャマの上から若くしなる幹を撫でさする指は、時々意地悪な動きで穂先をつついて。
「感じやすくなってる」
「ばっ…何言って………あぁっ」
そのままチュッ、と尖った胸元に吸いつかれた。電流が走って、背が反ってしまう。
「や、やめろよっ!」
「やめていいのか?」
くぐもった声で囁きながらも、早乙女は愛撫の手を止めない。大和はぴったりと密着する胸板を押しのけようとした。が、熱のせいか腕に力が入らない。
「どうした。いつものように素直じゃないね。熱のせいかな」
「…っ」
「まあ、そんな大和も新鮮で可愛いけれどね」
ふふっ、と笑った早乙女の手が腰骨にかかった。あっという間もなく大和の下肢から邪魔な布地を取り去ると、屹立したものが早乙女の肌に触れる。
「さすがに若いね。こんなときでも反応が早い」
「あっ、やめっ…」
身体をずらして足元にうずくまった早乙女が、グイと両足を開いた。
「ここの色は濃いな。いつもより赤くなっている」
「ばっっ…!!」
微妙な場所に吐息を感じて、大和は耳まで赤くなった。
「真紅。いや…クリムゾンレッドだな。きれいな色だ」
「早乙女さ…」
「悦史だと言ったろう?覚えの悪い子だね」
「ひ、ぁあっ……!」
ぬめる感触に大和の声がブレる。暗い部屋に淫靡な湿った水音が響いた。濡らされ、ほぐされたその場所に、長い指が入ってくる。
「ここも…熱い」
「う、あっ……あぁぁ!」
「いい顔をするじゃないか、大和。ゾクゾクするよ」
「や、やめ…」
「まだそんな強情をいう」
上目遣いにこちらを見た端正な顔が微笑む。その唇が濡れて光っている様が、壮絶にいやらしい。大和は思わず目を閉じた。
「じっとして。今解熱剤をあげる」
「え?……うぁっ」
太いものが分け入ってきても、熱のせいか大和はあまり苦痛を感じなかった。ただ貫かれた半身が思うように動かず、抱え上げる早乙女の腕の中でブラブラと爪先が揺れる。
「くっ……中で溶かされそうだ」
激しく腰を突きいれながら、早乙女が低く呻いた。やにわに、大和の顎を捉えて深く唇を合わせる。舌を絡ませて唇の裏側を舐めまわす動きに、声を封じられたまま大和は身悶えた。
「ふ、はっ……だ、だめっ…き、キスっ」
「ん?どうして…?」
「風邪が…うつ…る……あぁっ!」
「かまわ…ないよ」
快感の滲む甘い声でそう囁くと、早乙女は緩急をつけて大和を揺さぶってゆく。
「ああ、いいよ…大和。病みつきになりそうだ」
感じ入った声で早乙女が呻く、その声すら次第に遠くなって。熱がこもりすぎた身体はただ熱く重く、何も考えられなくなってくる。
「う……あ、あっ」
「大和っ、受け取って」
「んぁっ……あ、ああぁっ!」
だるい眠りのような底なしの絶頂が押し寄せ、大和を呑みこみ。
体温より熱い何かが弾ける感触と同時に、彼も高みに昇りつめていた。
「……どこが解熱剤、だって?」
頭から毛布を引き被ったままの大和が、ボソリと呟いた。
かいがいしく大和の後始末をし、熱いタオルで全身を清めてから、自分はシャワーを浴びてきたらしい。大和の部屋に置いてある自分用のバスローブをまとった早乙女が、濡れ髪の奥で目を細めた。手にしているのは今計ったばかりの体温計。
「現に熱は下がってる」
「そりゃね…あれだけ汗をかかされれば」
「明日が休みでよかったよ」
「え?」
意外な言葉に、だるい頭を少しだけ持ち上げて、毛布の隙間から大和が目をのぞかせる。
「少し眠ったら、あと二、三回やってみるか。もっと下がるかもしれない」
「はぁ…?」
「なかなか気に入った。大和のハスキーな喘ぎ声もね」
「ばっ…馬鹿言うなっての!!ホントに風邪うつるぞッ」
ベッドに膝をつき、ゆっくりと乗りかかってきた早乙女が不敵に微笑んだ。
「寝込んだら、今度は大和が看病してくれるんだろう?」
「それ…俺が襲ってもいいって事?」
「さあね」
はぐらかすように笑って、早乙女は大和の額にキスを落とした。
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