早乙女さんのお話21
二週間遅れになってしまいましたが(苦笑)、ESCAPE発売6周年のお祝いとして、書いてみました。
鹿乃先生のイラスト「tuberose」で描かれている月下美人が、ずっと気になっていて、この作品は
生まれました。3年前の掲載誌発売時に、同じイラストで書いたイメージ掌編の「presious time」とは、
また違う雰囲気のお話になっているかもしれませんが、お楽しみ下さいませ。
このページの月下美人の壁紙の画像は、素材サイトの「White Board」様から、お借り致しました。

ESCAPE発売6周年お祝いSS

「sultry night(上条先輩・視点)」 by ひいろ



ピンポーン。

インターフォンが、数度鳴り、来客を告げる。

「元基、代わりに出てくれないか?」

リビングの床で、軽くストレッチをしていた俺は、キッチンで調理中の悦史さんに、声を掛けられた。

「いいよ。」

起き上がり、壁に取り付けられたインターフォンに、応答する。

「はい、どちら様ですか?」

「フラワーショップ桃ヶ丘です。佐藤さんのお宅ですか?ご注文の品のお届けに参りました。」

「少々、お待ち下さい・・悦史さん、花屋から、何か届いてるみたいだよ?」

受話器の送話部分に手を置き、悦史さんに尋ねた。

「そういえば、今日の配達予定だったな・・すまない。今、すぐに手が離せそうにないから、受け取りも頼む。

品物は、たぶんデカいものの筈だし、玄関に置いてもらってくれ。」

「デカいって、一体、何、頼んだの?悦史さん。」

「花は花なんだがな・・。」

「なんか、歯切れの悪い言い方だね。じゃあ、観葉植物みたいなもの?」

「一言じゃ、説明し辛いな。」

「?・・ま、いいか。花屋の人、あんまり待たせても悪いし、俺、受け取りに行って来るね。」


エントランスのロックを解除すると、程無くして、ドアのチャイムが鳴らされた。

「今、開けまーす!」

「毎度、ご利用ありがとうございます。こちらに印鑑をお願いします。大きな鉢物なんですが、お部屋の中まで

運びましょうか?」

「いえ、ここで結構ですので。」

「わかりました・・せーの、よっと。じゃあ、これ、ここに置きますので。」

「ありがとうございました。ご苦労様でした。」

ドアを開けた玄関の中まで、男性二人掛りで、運び込まれたものは、一メートル前後も高さのある、大きな鉢植えだった。

悦史さんが、さっき言葉を濁したのがわかる気がする、熱帯にありそうな、不思議な見た目の植物だ。

「やっと届いたな。」

見慣れない物に驚いていると、調理が一段落したのか、悦史さんが覗きにやって来た。

「これ、普通の観葉植物って感じでも無いけど、悦史さん、いつ注文してたの?」

「頼んだのは、かなり前なんだが、漸く咲きそうなのが見つかったって、この間、行きつけの花屋から連絡をもらってな。

休みの今日、届けてもらうことにしていたんだ。」

「ふーん・・。ホント、もうすぐ開きそうな蕾が、幾つも付いてるね。俺、初めて見るんだけど、何て花?」

「月下美人だよ。香りが強いから、月下香と呼ばれることもある。夜行性の植物で、子供の頃、よく通った植物園では、

いつも蕾の時しか見れなくて、この花が咲くのを、一度、見てみたかったんだ。」

「悦史さんの、思い入れのある花なんだね。月下美人かぁ・・名前は、どっかで聞いたことある気がするけど、俺、

実物を見るのは初めてだよ。」

「一晩しか咲かない花なんだぜ。今の時期は、朝まで咲いたりもするらしいけどな。」

「へぇー。一夜の夢を与えるって意味では、まるで俺達ホストのような花だね。」

「珍しく、お前らしくない気障な言葉が出たな。」

「こういう恥ずかしーい台詞は、早乙女さんの専売特許だっけ。」

「店では、そうかもしれないが、ここで、お前には、別に、そんな言葉ばかり言ってる訳じゃないだろ。」

「俺、悦史さんの、店の他のヤツは聴いたこと無い言葉や、声も一杯、聴いてるよね。」

「・・思い切り、にやけてるぞ、元基・・思い出し笑いするなよ。」

つい、悦史さんのベッドでのあんな姿やそんな姿まで、思い浮かべてしまったのが、顔に出たらしい。

「ゴメン、ゴメン・・で、この月下美人、何所に置く?」

「香りが強いし、風通しの良い所がいいらしいから、リビングの窓際にするか。お前も手伝え。」

「了解。」

二人で、鉢をリビングのゼブラ柄のソファの側に運んだ。


「まだ花が咲くには、早い時間だな。メシにするか?」

リビングの掛け時計に目を遣って、悦史さんが言う。

「もう食事の準備、全部、出来てんの?」

「ああ、大体な。」

「じゃあ、先にシャワーにしない?俺、ストレッチでも、結構、汗かいたし。」

「その目は、一緒に、入りたいってことか?元基。」

「正解。休みなのもあるけど、この時間に、悦史さんが起きてるのって、珍しいから、少しでも、俺は傍にいたいな。」

喋りながら、近付いて、正面から悦史さんを抱き込む。

「おい・・だからって、急に抱き付くなよ。」

「折角、二人でいるんだから、時間は有効に使わなくちゃ!」

「今から風呂に入るのは構わないが、とてもシャワーだけで、済みそうにない感じだな。」

「俺と一緒なんだから、当然でしょ?」

俺がニンマリと笑うと、悦史さんは入浴に付随されるであろう、行為のことも察して、僅かに逃げ腰になる。

「今日は、髪まで全部洗ってあげる・・さ、行こうよ、悦史さん。」

「待て、元基っ・・。」

制止の声を聞き流し、がっちりと、悦史さんの肩に腕を回して、半ば強引に、バスルームに連れ込んだ。


「お痒いところは、ございませんか?」

「・・無いよ。お前に触られるのは、何所も彼処も気持ち良い。」

「悦史さんが、喜んでくれるなら、嬉しいよ。」

美容師風の俺の問い掛けに、悦史さんが、クスクス笑い、返答してくれる。

バスルームに入ったばかりの頃は、幾分、不機嫌だったものの、今の悦史さんは、上機嫌そのものだ。

シャンプーを手に取り、泡立てて、バスタブの中にいる、悦史さんの髪と頭皮を、指先でマッサージする。

俺の指の動きに、ゴロゴロと喉を鳴らす猫のように、悦史さんが、うっとりと目を閉じた。

その表情が可愛くて、上から覆い被さり、悦史さんの顔とは逆向きに唇を合わせた。

「んっ・・石鹸の味だね。」

口を離し、微妙な味に顔を顰めると、悦史さんが苦笑した。

「こんな場所でキスするんだから、当たり前だろ。」

「でも、悦史さんの味も、ちゃんとするから、いいけどね。」

「お前の味も、味合わせろ。」

悦史さんが、俺の首に腕を巻き付けて、顔を引き寄せ、舌を絡めた濃厚なキスを仕掛けて来る。

「そんなキスされたら、俺、すぐその気になっちゃうよ?」

「挿入無しなら、幾らでも構わないぜ。」

「悦史さん・・それ、お預けと同じ・・。」

「秋の夜は、これからだ。時間を掛けて、じっくり愛し合うのもいいだろ?元基。」

悦史さんが、真剣な眼差しで俺を見つめる。

俺は、この目にホントに弱い・・。

「悦史さん・・。それなら、今夜は、とことん俺に付き合って貰うよ?」

「望むところだ。」

挑戦的な瞳に変わり、不敵に笑う。

悦史さんの一挙手一投足に、目が離せなくなる。

「悦史さんのその顔も、大好き。」

「おだてても、今日の風呂での条件は変えないからな。」

「おだてじゃなくて、本心だよ。」

そう言うと、悦史さんの顔が、照れて、少し赤らんだ。

「ところで、俺も、そこ、一緒に入ってもイイ?」

「零れるぞ?」

「いつものことじゃん。」

悦史さんの髪をシャワーで洗い流した後、バスタブに入り込むと、俺の体積分、泡だらけの湯が溢れた。

「湯、随分、減ったな。」

「その分、俺が、悦史さんを暖めてあげるよ。一回立って、位置、換わって、俺の上に腰掛けて?」

入れ替わりでバスタブに座り、狭い湯船で滑らないよう、悦史さんを後ろから抱きかかえる。

「悦史さん、身体も洗ってあげる・・俺の身体で、ね。」

「ボディ・スポンジにしては、大き過ぎだな。」

「悦史さん専用だからね。」

「俺には、この大きさがベストだな。」

悦史さんを抱き締め、身体を密着し、全体をぬるぬると擦り付ける。

首筋、肩、背中、腕、胸、腹、足・・悦史さんの身体中を、愛撫するように、隈なく触れていく。

耳朶を軽く噛むと、悦史さんの身体がビクンと波打った。

俺より早く浸かっていた悦史さんは、すっかり温まり、身体全体が、ほんのりピンク色に染まっている。

「肌、お湯で綺麗な色になってるね。」

「白過ぎないか?」

「そんなことないよ。健康的でいい感じ。」

「今年の夏は、お互い忙しくて、海で焼いてる暇も無かったな。」

「俺、悦史さんの水着の日焼け痕、見たかったなぁ・・。」

「今の裸よりもか?」

「それはそれ、これはこれ。あのお尻と腿の色のコントラストは、たまんないよ。」

「・・マニアなヤツだな。」

「あくまで、悦史さん限定だよ。」

「どうだか?」

「これでも、信じない?」

項に口付け、血管が浮き出る程、ガチガチに膨らんだ性器を、背後から悦史さんの股下に押し付け、ギュッと抱き締めた。

「・・お前の、硬くなって、俺のに当たってる。擽ったいぞ・・。」

「悦史さんのも、ちゃんと勃起してるんだから、擽ったいだけじゃないよね?」

一度だけ、悦史さんのモノに手を触れ、確認した後、腰だけを前後に動かし、穴から裏筋にかけて、俺の性器で、

ゆっくり何度も擦り上げる。

「ぁ・・グリグリ・・擦る・・な・・っ。」

張り出した先端が、身体の敏感な部分のあちこちに擦れる度、悦史さんのモノもぴくぴく反応し、より硬くなっていく。

「お湯の中だけど、俺も濡れてるの、分かる?」

「先走りで・・根元まで、びしょ濡れだ・・。」

「悦史さんが、凄く欲しいからだよ。」

「元基・・そんな卑猥な動かし方したら、俺もお前が欲しくなるだろ・・。」

「俺に、もっと欲情してよ・・悦史さんが、俺を心も身体も欲しがってくれるのが、一番嬉しいんだから。」

「これだけで、もう逆上せてしまいそうだ・・。」

「どんなに湯中りしても、俺が介抱するから大丈夫。」

「・・余計に心配だな。」

「勿論、俺の介抱には、色々含まれるけど、それは悦史さん次第かなぁ。」

「・・今日は、湯中りしたくないな・・。」

「そうだね。逆上せて、後のお楽しみが無くなるのも困るから、足浴にしようか。立ってみて?」

悦史さんが、立ち上がったその後ろ姿に、ぴったりと自分の身体を重ね、悦史さんのモノをそっと掌に包み込んで擦る。

「俺が、悦史さんの、してあげるから、悦史さんは、俺の、擦って。」

悦史さんが下肢に手を伸ばし、手のひらで、同じように俺のモノを柔らかく握り、リズミカルに扱く。

「元基・・出ちまいそうだ・・。」

「俺も、もうちょっとだから、我慢して・・一緒にいこう・・悦史。」

俺の言葉に、悦史さんが、扱くスピードを速める。

「出る・・っ・・!」

「俺も・・出すよ・・!」

悦史さんが一瞬、息を詰め、俺の手の中に、べっとりと射精した。

悦史さんの射精とほぼ同時に、俺も悦史さんの手に、放出した。

ゆっくりと息を整え、互いの身体を預けて、射精後の快感に浸る。

「悦史さん、一杯、出したね。」

「量はともかく、お前のほうが、濃いな・・。」

互いの出した体液を見比べ、悦史さんが呟いた。

「二人分の精液の色が薄くなるまで、まだ沢山、愉しめる時間はあるんだよね?」

「そうだな、たっぷりある。まず、食事を済ませてからな。」

ここまでして、尚、微妙な牽制をしてしまう、悦史さんが愛しい。

バスタブの湯を抜き、二人の泡と体液塗れの身体を、シャワーで、洗い流した。


バスルームで、軽めの「一戦」交えた後、夕食も無事に終え、午後7時過ぎる頃にもなると、流石に、この部屋の中も

暗くなり始める。

今日は、二人ともオフが重なり、この後も、ゆっくり一緒に夜を楽しめそうだ。

いつもなら、食後のこの時間は、室内には、悦史さんがセレクトした音楽が流れているが、今夜のBGMは必要無かった。

「今夜、咲くのも不思議な縁かもね。」

「?」

「悦史さん、忘れてたの?今日、十五夜じゃん。こんなロマンチックな夜に咲くなんて。」

「そう言えば、そうだったな。」

悦史さんが、カーテンを開けると、花の開花を空も祝福するように、美しい満月と共に、星が瞬いている。

二人、ソファに腰掛け、ただ黙って、目の前の月下美人の蕾と、窓の外の月を見つめている。

「しっ・・。」

悦史さんが、人差指を俺の唇に当てる。

「ほら、花の咲く音が聞こえるだろ。」

花に耳を近付けると、花びらが擦れ合って、微かな音を立てている。

月明かりが室内に入り込み、緩やかな時間の中で、花が徐々に開いていく。

真っ白い大輪の花弁が開いた姿は、何処か、悦史さんに似ている気がした。

「花ばかり見てると、妬くぞ?」

花の開花に見惚れていた俺は、間近の悦史さんの声に驚いた。

「悦史さんが、妬いてくれるなら、スゲー嬉しいかも。」

甘過ぎる花の香りと悦史さんの匂いが混じり合い、俺を酔わせる。

「この花の花言葉には、『快楽』と言うのもあるんだ。今夜は、この花が開いている朝まで、愛し合おうぜ。」

ソファに座る俺の膝に膝立ちでにじり寄り、悦史さんが耳元で囁いた。

「今度は、悦史さんが、積極的だね。」

「嫌か?」

「まさか!大歓迎だよ。」

真っ白いバスローブから出ている生脚と、吐息混じりの色っぽい声に、俺の情動も抑えきれなくなる。

二人分の重さで、ゼブラ柄のソファが、沈み込み、ゆらゆらと揺れる。

悦史さんを抱き寄せ、口付けた。

華やかな花弁と、噎せ返りそうなほど、濃厚な香りを漂わせる、月下美人は、薔薇と同じぐらい、悦史さんに良く似合う。

薔薇がホストの早乙女麗士の花なら、月下美人は、プライベートの佐藤悦史の花だ。

もう一人の悦史さんに、見られている気分になって来る。

「なんか俺、不思議な感じなんだけど。」

「不思議って?」

「この花、妙に悦史さんっぽくない?」

「そうか?」

「うん・・見れば見るほど、そう思える。」

ソファに静かに押し倒し、悦史さんに口付けた。

「ふっ・・んぅ。」

悦史さんの唇から、吐息が漏れる。

唇を舌でゆっくりと開くと、悦史さんの舌が俺のものを迎え入れ、優しく絡み付いた。

「今日は、悦史さんの唇、花の蜜みたいに甘いね。」

「デザートのせいだろ?・・んっ・・。」

口を離すと、俺の言葉に照れたように、今度は悦史さんから、キスしてくれた。

唾液が零れ落ちるほど、口付けを繰り返しながら、互いの身体をバスローブ越しに愛撫し合う。

悦史さんのバスローブを肌蹴け、首筋から、キスマークを付け、唇の位置をずらしていく。

「ここも、小さい花みたい。」

「花って・・俺は、女じゃないぞ。」

「悦史さんのここの方が、俺は好きだよ。」

ツンと立ち上がっている、乳首を指先で捏ねる。

「悦史さん、マジで乳首、弱いよね・・。」

「お前が・・いつも・・弄るから・・。」

乳輪や乳頭の撫で方を変える度、悦史さんの身体がビクビクと動き、股間が隆起していくのがわかる。

「あっちも、待ち遠しいかもしんないけど、こっち、先に舐めてあげる。」

顔を近付け、舌で乳首のコリコリとした芯のある感触を味わい、微かに歯を当てた。

「噛むな・・元基。」

「そんな切なそうな目されると、余計、したくなるんだけど。紅くなって可愛い・・。」

手のひらでの愛撫を、徐々に胸から腹に下げていく。

悦史さんの腹筋と陰毛の感触を愉しんだ後、腰骨を辿り、形の良い滑らかな尻を撫でる。

「風呂上りだから、普段より滑々で、触り心地、抜群。」

「・・っ・・撫で回すな。」

「これだけでも、感じてる?」

撫でた後、尻肉を掴んで揉んでみる。

「ホント、悦史さんのここって、芸術品って感じ。」

「それは、大袈裟過ぎだろ。」

「悦史さんのお尻なら、このまま、挟んで擦るだけでも、充分イケそうだけどね。」

「じゃあ、今日は本当に、ずっと挿入無しのセックスにするか?」

「中で、イカせて。俺は、悦史さんの全部が、欲しい。」

「言葉通り、準備万端だな・・元基、お前の、バスローブから、はみ出してるぞ。」

バスローブの袷を押し上げ、屹立した俺の性器を目にした悦史さんが、嬉しそうにそれを触る。

「もう、こんなに勃起してるのか・・?」

「さっきの余韻もあるのかなぁ・・俺も、いつも以上に興奮してるみたいだよ。」

もっと触って欲しくて、悦史さんの手の上に、自分の手を重ねた。

「いいぜ。やってやる。」

俺のモノを掌で包み込んで、悦史さんが、撫で擦る。

「俺も、また悦史さんの、触って良い?」

頷いて、悦史さんは、同じように、自分のモノに導いた。

バスルームの時よりも、もっと激しく擦り合いながら、互いのものが熱く昂っていくのを感じた。

「一緒に、これ、舐めようか?」

「このソファは、狭いから、シックスナインは無理だろ。お前の、しゃぶらせてくれ。」

ソファに浅く座り直すと、悦史さんが跪き、俺のモノの先端に口付け、そのまま口を開き、頬張る。

「んふ・・っ・・。どんどんデカくなるな・・。俺の口一杯に、お前のが、ドクドク脈打ってるのを感じるぜ・・。」

口を上下し、喉の奥まで、咥え込まれ、温かい口腔の感触に身震いする。

「悦史さんのフェラ、気持ち良過ぎ・・マジで、すぐ出そう。」

全体を濡らした後、悦史さんの口から出され、ひんやりとした夜気を感じた。

唾液混じりにチュプチュプと丁寧に舐め上げられ、射精感が込み上げる。

「口の中に、出せよ、元基。」

「っ・・飲んで、悦史さん。」

悦史さんが、吸い上げるように、強く吸引した瞬間、俺の精液が、ドクッと悦史さんの熱い口腔で弾け、悦史さんが

それを飲み込んだ。

「お前の、美味いぜ。」

口端に零れたものを、舌を伸ばして、淫猥な表情で舐め取る。

「やらしい顔・・でも、最高に色っぽいよ。」

前屈みになり、悦史さんにキスする。

「エアコン、効いてる筈なのに、汗びっしょりだな。」

「悦史さんこそ。」

互いに顔見合わせ、笑い合う。

秋になり、暫く経ったにも関わらず、今、この部屋の中は、まるで熱帯に感じられる。

愛する人と抱き合うなら、暑ささえも快感に繋がる。

「今度は、俺の番ね。悦史さん、ソファにうつ伏せで凭れてみて?」

「こうか?」

「うん、そう。膝とか、痛くない?」

「平気だ。」

膝立ちでうつ伏せた悦史さんに覆い被さり、背中に口付け、身体を少しずつ、ずらしながら、愛撫する。

「見えないトコに、俺のキスマーク、付けてあげる。」

軽く甘噛みして、強く吸うと、悦史さんの背中に、赤い花が咲く。

「元基・・ぅん・・っあ・・。」

幾度も繰り返し、背中のあちこちに愛の印しを残す。

「腰、上げて?」

悦史さんの双丘に口付け、割開き、蕾の具合を確かめる。

「まだ、もうちょっと硬いかも・・これ、使おうか。」

テーブルの上の無香料のボディ・ローションを手に取り、たっぷりと塗し、手に馴染ませた。

悦史さんの尻に触れると、悦史さんの身体が、ビクッと反応する。

「ごめん、冷たかった?」

「大丈夫だ。」

触れた手を、そのまま穴まで這わせ、指先でそっと皺を撫でる。

つぷっと水音を立て、中指を悦史さんの穴に挿入した。

「んっ・・。」

爪で内壁を傷つけないように、慎重に中を探る。

「もう一本、入れるよ、悦史さん。」

「ああ。」

「俺の指、美味しい?」

言葉で答える代わりに、ひくひくと悦史さんの中が俺の指を締め付ける。

「悦史さんの身体って、ホント素直だね。」

差し込んだ二本の指を開き、穴を広げ、覗き込む。

「悦史さんの穴の中、見えそう。」

「そんなに、マジマジと見るな・・。」

「今度、ペンライトかバイブの光るヤツで、見てみようか。」

「俺は、普通のセックスのほうがいい。」

そう言いながら、俺の言ったプレイを想像したのか、悦史さんの内部が、ヒクンと収縮した。

「蠢いて、俺を誘ってくれてるみたいだ。穴と一緒に、こっちもしてあげる。」

「そっちは、今、触るな・・。」

片手を、悦史さんの勃起した性器に伸ばし、触ろうとすると、悦史さんが止めた。

「どうして?」

「お前と、イキたいからだ。」

「悦史さん、あんまり可愛いこと言わないでよ。挿れたくなって来た・・。イイ?」

「いいぜ、挿れろよ、元基。」

「悦史さん、俺の上に乗って。」

ソファに座る俺に、自分の穴を指で押し広げて、悦史さんが腰掛ける。

「くっ・・ん・・・」

俺のモノが、先端から、少しずつ悦史さんの熱い粘膜に包み込まれていく。

「ソファに身体を倒せよ、元基。奥まで欲しい。」

「いいの?この体位のほうが、楽なんじゃない?」

「お前を、全て愛したいんだ。」

俺の腹に手を添え、悦史さんが、俺の身体を静かに押し倒す。

悦史さんを抱き締め、挿入の衝撃を和らげたくて、何度も唇へのキス以外にも、首筋や肩に口付ける。

「深いな・・もう・・動いても・・いいぜ・・元基。」

俺の全部を根元まで中に収めて、悦史さんが、吐息のような掠れた小さな声を洩らした。

悦史さんの好きなリズムで、動いてみる。

「風呂場の愛撫で、興奮した?中、いつもより熱いよ、悦史さん。」

「お前のも、固くて・・っ。」

ゆっくりと腰を動かし、悦史さんの気持ち良いポイントを突くと、悦史さんの表情が恍惚へと変わっていく。

「そこ・・ゴリゴリ・・いい・・。」

悦史さんの中が、俺自身を優しく抱き締めるように、柔らかに蠢く。

「元基、気持ち良いか?」

「すげぇ、良いよ・・。」

「んっ・・そこ・・。」

腰を引き寄せ、返事代わりに、下から腰を回すように突き上げると、悦史さんの声音が変わった。

「俺も、もっと良くしてあげる。」

「っあ・・元基・・。」

「悦史さんも、気持ち良さそう・・。」

二人の身体が、同じリズムで揺らめくのが、心地良い。

身体を動かすうちに、いつの間にか、悦史さんのバスローブは、袖から抜け、床に落ちた。

「悦史さん、まるで、この花の化身みたいだ。」

月明かりを受け、全裸の身体を、官能的な光に染めた姿に、思わず見惚れる。

どんな美しい花も、この人の魅力には敵わないと思う。

「元基・・俺を・・受精・・させて・・みろ・・。」

声と同時に、悦史さんの中が、一段と締まる。

「俺の蜜、全部、注いであげる・・受け取って・・悦史・・っ。」

二人分の汗が、混ざり合い、ソファや床に飛び散る。

声も無く、感極まった悦史さんが、横の月下美人とシンクロして、一瞬、本物の花に見えた。

悦史さんが、俺の腹に射精した瞬間、俺も、穴の中にたっぷり注ぎ込んだ。

悦史さんの身体が、脱力して、俺の上に倒れ込む。

「悦史、愛してる。」

「俺も、愛してるぜ、元基・・。」

荒い呼吸を整えながら、汗ばんだ互いの身体を労わり、優しく抱擁し合った。


「これが、お前と俺の愛の種だな。」

悦史さんが、自分の出した精液と、穴から零れ落ちた、俺の精液を指で掬い取り、手のひらで一つに交ぜた。

「何度も交わったら、もしかしたら、そのうち、新種の花が咲くかもね。」

「俺たちだけの、特別な交配の花だ。一緒に一生、育てようぜ。」

微笑んだ悦史さんの顔のあちこちに、何度もキスを繰り返した。


部屋の中には、月下美人と俺達の情交の匂いが混ざり合い、濃密な空気が漂っている。

「この部屋の匂いで、もっと発情しちゃいそう・・。」

出したばかりの俺のモノが、再度、勃起していくのを、悦史さんが見つめる。

「俺も、今日は、まだ足りない・・続きは、ベッドでやろうぜ。」


二人で、目には見えない、愛と言う名の花をずっと咲かせ続けよう。

悦史さんの身体を、抱き締め、改めて、もう一度、誓いの口付けをした。


-end-




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