早乙女さんのお話3-1
りんか様のサイト「true love?」のマンスリー・クリエーションの7月のお題、

「ビーチで眩しいあのお方」から、このSSを思いつきました。

「上条×早乙女」というより、「元基×悦史」の物語を感じて頂けると、とても嬉しいです。


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「楽園への切符」 byひいろ



俺は今、悦史さんと或る海外の島に来ている。

きっかけは、一枚の航空券と、悦史さんの言葉だった。



「海に、行かないか?」

コーヒーを飲みながら、ふいに悦史さんがそう言った。


club DANDYでの仕事を終えた早朝、俺と悦史さんは、いつものように

悦史さんの部屋で、一緒に過ごしていた。

泳ぐのは好きだし、夏を迎えて海が恋しくもなっているけれど、

悦史さんと海とが、どうしても上手く頭の中で結びつかなかった。

「・・海ですか?」

と、聴き返してしまった俺に、悦史さんは、とびきりの笑顔で

「俺の水着姿、見たくないか?、元基。」

そんなことを言われて、俺が断れるはずがない。

「ご一緒します!」

釣られて、笑顔で俺も答えていた。

「じゃあ、これ」

手渡された航空券の行き先を見て、俺は更に驚いた。

てっきり沖縄あたりかと思っていたのだが、そこには名前も良く知らない、

外国の飛行場の名が・・。

「二人きりで過ごせる楽園だよ。」

・・どうしてこの人は、俺をこんなに嬉しがらせるのが上手いんだろう。


そして今、二人揃って、この「楽園」にいる。

ここは、本当にその名にふさわしい場所だ。

白い砂浜、青い海、太陽と美しい緑の溢れる島。

悦史さんが選んでくれた宿泊先は、プライベートビーチ付きの

コテージ風のホテルだった。

観光地化されてないせいもあり、日本人客は俺達だけだ。

「よく、こんなところ、見つけましたね・・。」

感心したように俺がそう言うと、

「元基と過ごす時間を、誰にも邪魔されたくなかったんだ。」

真顔でそう言う悦史さんに照れてしまって、

「天気も良いし、泳ごうよ、悦史さん!」

誤魔化すように、悦史さんを海へと誘った。


先に水着に着替え、悦史さんは海に入って行く。

悦史さんの水着姿は、想像以上に魅惑的だった。

水着自体は、シンプルな黒のビキニだったけれど、細身にも拘らず、

長身で均整の取れた、筋肉質の浅黒い肌は、この海にいることに

何の違和感も感じさせない。

そして、水泳好きの俺から見ても、悦史さんの泳ぎは上手かった。

無駄の無い呼吸と、ピッチ泳法。

泳ぐ姿は、男の悦史さんに喩えるのは変かもしれないが、まるで人魚のようだ。

ジッと見つめたまま動かないので、浅瀬で待っていた悦史さんが、

「お前も来いよ、元基。泳ぎに来たんだろ?」

と呼びかけてきた。

「今、行きます!」

慌てて、悦史さんの元へ水しぶきを上げながら、駆け寄る。

「お前がプールじゃなく、海で泳いでいる姿、見てみたかったんだ。」

「ご披露しましょう。」

笑顔で答え、泳ぎ始める。

一頻り泳ぎ、悦史さんを振り返ると、なんだか熱い眼差しで、俺を

見つめていることに気が付いた。

近寄り、耳元で囁いてみる。

「・・悦史さん、俺に見惚れてた・・?」

心なしか少しだけ赤らめた顔で、

「ああ・・。水の中いるお前は、誰よりも生き生きとしていて、魅力的だ。

水にさえ、愛されているように見える。」

「それって・・もしかして嫉妬・・?」

「そうかもな。人間相手じゃないのに、変だろ?

普段の俺は、お前が考えてる以上に、嫉妬深いのかも・・。」

「早乙女麗士」の顔の時は、完璧に見える悦史さんが、今は俺と同じように、

嫉妬心も持ち合わせているのが、可愛く思えた。

「キス、してもいい・・?」

「俺もしたい・・。」

気持ちが高ぶってきて、啄むだけだった口付けが少しずつ、舌を絡めた

激しいものに変わっていった。

「んっ・・。・・続きは部屋に戻ってからだ・・。」


水着姿のまま、砂と海水で濡れた身体を、シャワーで洗い流していく。

二人、抱き合いながら・・。

「濡れてる悦史さん、凄く、色っぽいよ・・。

水着もいいけど、脱がして、ここを愛したい・・。」

そっと触れるだけで、悦史さんのそこが、熱く固くなっているのがわかる。

「・・あっ。・・直接、触って・・。お前のも、熱くなってる・・。」

そう言いながら、悦史さんの長い指が俺に触れてくる。

濡れて身体に張り付いた水着を、お互いに脱がせていく。

もどかしさが、却って快感を増幅させるようだ。

お互いのそこに触れながら、身体中にキスと愛撫を繰り返す。

「悦史さん、好きだよ・・。」

たまらないほどの、愛しさが募る。

「ここに、元基の指、挿れて・・。」

「指、だけでいいの・・?」

「・・バカ。そんなことまで、言わせるな・・。」

「感じてる悦史さんの顔、見てるだけで、俺、こんなに興奮してるのに・・。」

気持ち良さそうな声を上げながら、悦史さんが薄目を開けて俺のそこを見た。

「・・お前の身体、本当に正直だな。そういうところが好きだよ。」

「身体だけ・・?」

ちょっとだけ拗ねた口調で尋ねると、俺の身体をギュッと抱きしめて、

「お前のすべてを愛してる」

俺に聴こえるだけの呟くような声で、囁いてくれた。

悦史さんが出来るだけ痛くないよう、俺を受け入れてくれるそこに、

唾液で濡らした指を広げるように、ゆっくり入れてみる。

「ん・・っあ・・。気持ち・・いい・・。」

「ここがいいの・・?」

「・・ああ。・・元基のこれ、欲しい・・。」

微笑を浮かべながら、俺のそれを手のひらで包み込んで、導くようにそこに誘う。

刺激的で扇情的なその仕種に、限界に来ていた俺は煽られる。

立ったまま後ろから挿入しようとして、悦史さんに止められた。

「床に腰を下ろして・・。お前を深いところで感じたい。」

俺の肩に手をついて、ゆっくりと腰を沈める。

「・・あっ・・ん・・。」

「大丈夫?つらくない?」

少し表情が苦しそうに見えて、問い掛けてみる。

「・・お前のが、大きいからだよ・・。でも、痛いわけじゃない。」

俺のを、奥まで受け入れてくれたのを確認して、

「じゃあ、動くよ。しがみついていていいから・・。」

背中に回された指に、力がこもるのがわかる。

「う・・んっ・・っあ・・ふっ・・。」

キスしながら、強弱をつけて、悦史さんの感じるところを時折掠めながら、突いてみる。

「・・焦らし・・たりす・・るな・・。」

快感に身を任せてる悦史さんは、魅惑的で、見ているだけでもイキそうになる。

「そんな顔するなんて、反則だよ・・悦史さん。」

「まだ、イクなよ。もっと、気持ち良くさせてやるから・・。」

そう言いながら、悦史さんは腰を振りながら、自分で、そこを握ると、擦り始めた。

「・・あっ・・ん・・っうん・・。」

俺のリズムと呼応して、お互いに快感が増す。

「・・悦史さん、一緒にイこう・・。愛してる・・悦史さん」

耳朶を甘噛みしながら、囁くと、悦史さんの身体がビクビクッと、揺れた。

「・・俺・・も愛・・してる・・。んっ・・っあ・・!」

悦史さんに締め付けられて、俺のそれを中に注ぎ込むのと、ほぼ同時に、悦史さんも

勢い良く俺の腹に飛ばしていた。

二人、余韻を楽しみながら、荒い息で、労わるようにキスをした。


バスルームでのセックスの後、俺達はベッドで休んだ。

少し無理をさせてしまったのか、悦史さんは、俺が目覚めて身じろぎしても気付かずに

ぐっすり眠っている。

安らかな寝息をたてて眠る悦史さんの頬に軽くキスして、ベッドから抜け出す。

コテージのベランダに出て、満天の星空と月明かりに仄かに照らされる海を眺める。



悦史さん、ありがとう。

ここに悦史さんと二人きりで来れて、ホントに良かったと思ってる。

何も言わないけど、俺が恋人同士になった今でも、つい大和や店の悦史さん目当ての客に

妬いちまうってこと、気が付いていたんだろう?

子供じみた独占欲だけど、悦史さんを俺だけのものにしたかった・・。

つかの間の休暇だけど、俺の願いを叶えてくれて、感謝してる。

ここは、「楽園」と呼べるような素晴らしい場所だ。

でも俺は、悦史さんがいてくれるだけで、どこでも、「楽園」だと感じられる。

生き続ける勇気を、前に進む気持ちを、貴方が与えてくれたから・・。

俺も悦史さんに、愛を与えられる人間でありたい。

日常に戻っても、「楽園」は続くと信じてる。

おやすみ、悦史さん。明日からも、どうぞよろしく。



悦史さんの眠るベッドに戻り、温もりを感じながら、俺も眠りについた。




-end-