早乙女さんのお話3-2
このSSは、私の初SS「楽園への切符」の続編として、悦史さん視点で書いたものです。
前作より更に、ラブラブ度&H度が上がってしまいました(笑)
夏よりも熱い「元基×悦史」の物語を、どうぞお楽しみください。
「楽園への切符ー翌朝・悦史編」 byひいろ
柔らかい海風が、窓辺から吹き込んでくる。
目が覚め、ここが日本ではなく、旅先の或る島なのだと、傍らで眠る上条を見て、
改めて実感した。
気だるい体を、ベッドから起こす。
いつもと環境が違うせいか、上条との行為に燃えてしまったらしい・・。
誰かにここまで嵌まり込むなんて、我ながら、不思議な気がする。
少し、苦笑いを浮かべた。
俺が上条をここに連れて来たのは、最近の上条の様子から、俺と大和との関係に
不安がってることに気付いたのもあるが、俺自身、二人きりでゆっくり出来る時間が、
欲しかったのも事実だ。
いくら同じ店に勤務していると言っても、仕事中はお互いに女性客を相手にしているし、
まだ学生の上条が、昼間、俺と一緒に過ごすのは、なかなか難しい。
国内の旅行も最初は考えていたが、普通の海水浴場で上条の魅力的な肉体美を、
他の人間に見せるのが、なんだか少し悔しかった。
どうも、俺は上条に関してだけは、妙に嫉妬深くなってしまうようだ。
「べた惚れ」って、やつなのかもな・・。
「おはよう、悦史さん」
そんな物思いに耽っていた俺に、上条が声をかける。
「おはよう、元基。」
「昨夜は、ゴメン。ちょっと俺、夢中になり過ぎちゃって・・。」
「気にするな。俺だって、気持ち良かったんだから。」
叱られて耳を垂らした大型犬のように、しょげかえる上条に、軽くウインクで返す。
「悦史さん・・。朝から、そんな色っぽい顔、やめてくれよ・・。」
「どうして?」
「・・欲情しちまうから。」
「昨夜、あんなに、やったのにか?」
「俺、悦史さんより、若いし・・。」
「コイツ・・!」
上条の頭を、軽く小突く。
「ごめん、ごめん・・悦史さん。」
必死な顔で謝る上条の唇に、そっと口づける。
「これで、許してやるよ、元基。」
「もっとキスしたいんだけど、いい?・・悦史さん。」
互いに舌を絡めあいながら、
「キス、上手くなったな、元基。」
「悦史さんの教え方が、良かったんだよ。俺、合格点・・?」
「充分過ぎるぐらいだよ。」
「ホントは、悦史さん専用の唇だと、いいんだけどね。」
苦笑しながら、そんなことを言う上条に、
「二人とも今の仕事をやめない限りは、それは望めそうにないな。
でも、今だけは、俺のものだろ?元基。」
そう言って、もう一度、キスする。
「どうしよう・・。キス以上のことも、したくなっちまったよ、悦史さん。」
「しても、いいぞ。」
にっこり笑う俺を、上条はゆっくりとシーツに横たえていく。
「・・っん。」
首筋をキスマークが残りそうなぐらい、きつく吸われる。
手のひらと舌で、上半身から愛撫していく。
「ここ、もう赤く尖ってるね・・。キスだけで、感じたの・・?」
乳首を指先で、摘みながら、わざと羞恥心を煽るような言葉で言われて、
「・・お前に、慣らさ・・れて・・きた・・のかもな・・。」
心地良さを隠し切れない。
「じゃあ、こうしたら、もっと気持ちイイよね・・?」
顔を寄せると、ピチャピチャと音を立てて、そこを舐められた。
「んあっ・・う・・んっ・・。」
「悦史さんって、特別スポーツやってるわけじゃないのに、鍛えてある身体だよね。
俺、いつ見ても惚れ惚れしちゃうよ。」
乾いた手で、さわさわと腹筋の辺りを撫でられて、少しくすぐったさと、
もっと下の辺りも触って欲しいじれったさに、身を捩る。
「どうしたの?悦史さん。」
「・・ここも・・触って・・」
「自分で触って、イっちゃダメだよ。昨日は、バスルームでやったから、悦史さんのここ、
舐めたり出来なかったけど、今日はちゃんと愛してあげる・・。」
「うっ・・」
上条の口が、俺のを優しく咥え込んでいく。
温かい口腔と舌の絶妙な愛撫に、腰が蕩けそうな感覚に陥る。
「他の男の・・コレを、舐めたいな・・んて、絶対思わ・・ないけど、悦史さんのは・・、
俺、舐め・・たくてたまら・・ないんだよ。」
「舐め・・ながら・・喋られると・・んうっ・・。」
「その顔、凄くセクシーだよ、悦史さん・・。俺のも、して欲しいな・・」
さっきから、身体に当たる熱い上条のを見て、頷いた。
上条が身体の向きを変え、俺の口元に、自分のものをあてがう。
「もう、こんなになってるんだな。」
先端から出ている液を指で確かめて、唇を寄せた。
俺のより大きめのそれを、口に含む。
「・・んっ・・ふ・・俺も・・お前のコレ・・好・・きだよ・・。」
「あ・・悦史さん、上手過ぎ・・。」
上条の感じている声で、俺も更に熱くなる。
「少し、反撃しようかな・・」
上条の舌が、そこよりもっと下の上条のそれを、受け入れる部分に移る。
襞を押し広げるように、舌先を入れてくる。
「悦史さんのここ、もう何度も俺のを呑み込んでるのに、締まるし、ホントに中も綺麗だ・・。」
「あっん・・うんっ・・。改めて、そんなこと言うな・・。」
「・・顔、赤くなってるね。こういう時、悦史さんのこと、可愛いって思っちゃうんだよ。」
「年上を、からかうもんじゃない・・。」
「さっきは年のこと言ったら、怒ってたくせに・・。」
口を尖らせて、上条が抗議する。
「そんなこと言うなら、舐めるの、やめようか・・。」
「・・・。
・・もっと・・舐めて・・。」
溜まっている熱を放出したくてたまらなくて、少し哀願するような口調になってしまった。
「嘘だよ。悦史さんの感じてる顔を見るの、俺、大好きだから、イかせてあげる・・。」
そう言うと、右手の指を中に入れ、左手で俺のものを擦り上げて、俺の感じる場所を
同時に攻めてくる。
「・・っ・・ん・・イきそう・・。」
あまりの快感に、上条のものを愛撫する余裕は無くなって、ただ喘ぐ。
「イってもいいよ、悦史さん・・。」
そう言いながら、上条が俺の一番感じる先端をきつく吸う。
「・・っん・・んあっ・・!」
快感が駆け抜けて、上条の口に放つ。
肩で息をしながら、俺の上から退いた上条を見つめると、
「悦史さんのこれって、甘い蜜みたいな気がするよ・・。」
俺の出したものを飲み下して、熱っぽい眼差しで、俺を見つめ返していた。
「そろそろ、してもいいかな?後ろからでも、いい・・?」
「わざわざ、訊かなくても、お前の好きにしていい。」
「そんなに、俺を甘やかすと、後で困るかもよ。」
「恋人同士なんだから、別にかまわないだろ。」
口づけて、うつ伏せになる。
「腰、上げて、悦史さん。」
正面から向き合って抱き合うより、気恥ずかしいが、上条の言葉に従って、
膝を立てて、腰が上がる状態にする。
「これで、いいか、元基。」
首を捻って尋ねると、
「悦史さんの後ろからのしなやかな身体のラインも、俺、好きだよ。
まるで、豹とかチーターとかの猫科の獣みたいで、凄くそそられる。」
そう言って、俺を背中から抱きすくめて、耳元で、
「俺、もう我慢の限界に来てる。挿れるよ。」
熱い吐息で囁かれ、背筋をゾクゾクするものが走った。
両手で双丘を広げられる。
熱くて硬い上条のものが、俺の中に入って来た。
「う・・んっ。」
よく慣らされたせいか、昨夜ほどの苦しさは感じなかった。
奥まで届いたのを感じる。
「動いても・・大丈夫だぞ。」
告げると、上条は、ゆっくりと腰を動かし始める。
「悦史さんの中、溶けそうに熱い・・。俺の気持ちまで、優しく包まれてるみたいだ。」
快感を訴えてくる上条の声に、俺の気持ちも昂ってくる。
「・・お前・・の・・、俺の・・いい所に、当たってるよ・・。」
「ホント・・?この辺りかな・・。」
先端の部分で、軽く擦り上げてくる。
「っあ・・。そこ、もっと擦り付けて・・。」
「悦史さんも、気持ち良さそうだね。」
「・・お前、いつの間にか、こっちの腕も上がってるな。」
感心したように言うと、
「まだ、そんな余裕あるんだ・・。」
少し強めに突き上げてきた。
「・・っん・・あっん・・違う・・。」
「こっちも、触ってあげるよ・・悦史さん。」
律動をやめずに、俺のものに手を伸ばしてくる。
「んっ・・両・・方されたら・・。」
「感じるよね。」
汗で上気している上条の笑みを見つめて、尚更、身体の中の熱さが募っていく。
「俺を抱いてるときのお前が、愛しいよ・・、元基。」
「悦史さん・・。そんなこと言われたら、俺の、もっと熱くなっちまうんだけど?」
「かまわない。もっと・・お前を感じたい。」
俺に打ち込んでくる上条のものが、どんどん大きさと強さを増していく。
圧迫感までは感じないが、その熱さに飲み込まれたい錯覚に捕らわれていく。
「・・っんん・・元基・・。」
「悦史さん・・俺、イきそう・・。」
一段と、俺の中の上条の容積が増して、俺の気持ちいいところをダイレクトに
刺激してくる。
「一緒に・・イきたい・・元基。」
俺も、二度目の快感の波が来ていた。
「ああ・・っん・・ふっ・・んんっ・・。」
上条が俺のをイかせようと擦るのと同じタイミングで、腰に力を入れて、
上条のものを締め上げる。
「・・っ!イク!!悦史さん・・」
上条の熱い飛沫を体内で感じながら、俺も放った。
「も・・とき、愛してる・・。」
荒い息を吐きながら、上条が脱力して覆い被さってくる。
お互いに汗をかいているが、背中に感じる体温が、心地良い。
「悦史さん、最高・・。」
囁きかける上条の声に、また反応しそうになる。
「もう、抜いてくれ・・。」
「まだ、悦史さんの中にいたい・・。」
「朝食、無しでもいいのか・・?」
再び感じ始めているのを、悟られないようにしながら、冗談交じりに上条に言ってみた。
「それ、困るよ。俺、今のセックスでハラペコだもん。
悦史さんのことも、もっと欲しいけど・・。」
「じゃあ、シャワー浴びて、朝飯にしよう、元基。」
提案に渋々頷いて、俺の身体から離れた上条が、先にバスルームに向かった。
上条がシャワーを浴びている間に、ホテルのフロントに朝食のルームサービスを注文した。
バスルームからの水音を聞きながら、つい先ほどまでの自分の痴態を思い出す。
ホスト長の俺が、プライベートとはいえ、ここまで翻弄させられるとはな。
上条の存在が、そこまで俺の中で占めてきてるってことか・・。
上条と出会ったばかりの頃を、回想する。
今思えば、初めて上条の走る姿を、マンションの部屋の窓から見つけた時から、
自覚は無かったが、いつの間にか、惹かれ始めていたんだろう。
club DANDYの店先で、足の痛みで蹲っている上条を店の中に誘ったのも、
頭の中のどこかで、繋がりを断ち難い思いがあったのかもしれない。
実際に目の前にした上条は、スポーツマンらしい快活な男だった。
鍛え上げられガッシリとした肉厚な体躯、爽やかな笑顔、物怖じはしないが、
体育会系らしい生真面目さ・・話せば話すほど、上条への興味は尽きることがなかった。
ホストとして、口説いていたつもりだったが、本心では、もっと深く知りたい気持ちを
抑えられなかったのだ。
事故による両親の死と自分自身の怪我のことを、上条はホストの仕事を始める前、
淡々と俺に語った。
上条の、不屈とも思える精神の強さは、年上の俺でさえ、驚くほどのものだった。
心の痛みもまだ決して癒えてはいないはずだったが、精神力でそれを
乗り越えようとする上条は、今まで見てきた数多くのどんな人間よりも輝いて見えた。
努力し続ける上条を、同情ではなく、一人の人間として好きになっていた。
「風呂、お先に!最近、考え事、多いね、悦史さん。」
バスルームから、戻って来た上条が、冷蔵庫から缶ビールを取り出しながら言う。
「そうか?」
「うん。さっき起きた時も、何か考えてる風だった。悩み事でも、あるの?
俺じゃ、頼りないかもしれないけど、話してみて?」
「いや。お前のこと、考えていただけだよ。」
「俺のこと・・?」
「お前に、メロメロなんだなって・・。」
「・・口、上手過ぎだよ、悦史さん。」
「そうかな。本気で言ってるんだけど。」
「信用しないわけじゃないけど、悦史さんの言うことって、時々どこまで
本気なのかわからなくて、俺、戸惑っちまう・・。」
「元基が不安になるほど、俺って不誠実かな?」
「俺が、疑心暗鬼になってるだけかもしれないけど・・。」
「人の心の中までは、どんなに惚れ合っててもわからないからな・・。」
「そんな恋、前にしたことあるの・・?悦史さん。」
「えっ!?」
「なんだか、妙にリアリティのある言い方だったからさ。」
「人並みには、色々、経験してきてるよ。」
「茶化さないでよ。」
「いずれ、お前にはすべて話すつもりでいるよ。隠し事はしたくないしな。
ただ、ここでは、そんな話、ふさわしくないだろう。」
「そうだね。こんな場所で、話すことじゃないよね。」
心配げだった上条に笑顔が戻って、俺はホッとする。
上条と会話しているうちに、ドアをノックする音が聞こえてきた。
朝食が運ばれて来たらしい。
上条と二人、それをテーブルに並べ、遅めの朝食を始めた。
「お前が美味そうに食べてる姿を見ると、こっちまで幸せな気分になるよ。」
「悦史さんのように、優雅なお食事じゃないですけどね。」
「俺だって、昔から優雅だったわけじゃないぜ。」
「悦史さんなら、そうかも・・・って思っちゃうんだよな。」
「お前が知らない俺も、これから見せてやるよ。この旅行が、その一歩かな。」
「楽しみにしてますよ、悦史さん。」
二人で朝食をすべて平らげて、ベランダから海を眺める。
「ホントに、綺麗なところだよなぁ・・。」
「ああ。お前と一緒に来れて、良かったよ。
お前と一緒に丸一日過ごせることなんて、滅多にないからな。貴重な時間だよ。」
「また、いつか二人でここに来れると良いね。」
「こういうところで、二人で老後っていうのも、楽しいかもな。」
「それって、プロポーズみたいだけど?悦史さん。」
「そういうわけじゃ・・」
「でも、ずっと一緒にいたいって、思ってくれてるってことだよね?」
「・・うっ・・。」
照れて、答えに窮した俺を、上条が抱きしめる。
「愛してる。俺とずっと一緒にいよう、悦史さん。」
真実の言葉で、伝えたかった。
「俺も、お前を愛してるよ、元基。」
潮風の中で、熱いキスをした。
そばにいて、愛したい。
楽園で二人感じたこの気持ちが、永遠に続けばいい・・そう願っている。
-end-